ダイアルの下部では不透明な色からはじまり、富士山の裾野に近づくにつれて、次第に透明感を増していきます。

 卓越したエングレービングに呼応するように、「エスカル・オ・モン・フジ」には多彩なエナメル技法が用いられています。グラン・フー エナメル、シャンルベ、パイヨン、ミニアチュール・エナメルなどが含まれます。最初の工程は、このウォッチのグワッシュ画に合わせ最適な色とトーンを選定すること。ダイアルには合計33色のパステルカラーが使用され、各エナメルの色味は細かく砕いて水と混ぜ合わせてから塗布されます。その後、塗り重ねるたびに焼成を繰り返し、ダイアルの完成までには合計40回の焼成を要します。そのたびにひび割れのリスクが伴いますが、万一ひび割れが生じた場合は、最初からやり直さなければなりません。


ダイアル上の最も崇高で魅惑的な意匠の1つが空です。ピンクとブルーのグラデーションにイエローのエナメルが重なり、春の夜明けの情景を想わせます。ルイ・ヴィトンのモノグラム・フラワーが空にアクセントを添え、わずかに起伏を持たせた仕上げによって立体感を生み出しています。


ルイ・ヴィトンのモノグラム・フラワーには、ホワイトのエナメルとミニアチュール・エナメルが施され、グラデーションのエナメル背景へとさりげなく溶け込みます。特別な柔らかさを湛え、ほのかにカモフラージュされたかのような印象を放ちます。


いきいきとした川のきらめきを描き出すのは、パイヨンエナメル。エナメルの傍らに金箔を繊細に配することで、立体感と奥行きを生み出すこの技法には、卓越した職人技が求められます。金箔は破れやすく、エナメル職人の熟練した技術と経験が不可欠ですが、本作の川の表現には、細長い金箔を何枚も用いる一般的な手法ではなく、1枚の銀箔を採用。水面に均一で独特の色味を生み出し、目を奪うような輝きを実現しています。銀箔はエナメルや焼成に対する反応が金箔とは異なるため、この仕上げを完成させる工程は緻密でリスクを伴うものでしたが、その結果、早朝の陽光を美しく反射し、流れる水の印象を湛えたユニークな質感が生まれました。さらに、半透明のエナメルを幾層にも重ね、ミニアチュール・エナメルの色調を随所に織り交ぜています。ダイアルの下部では不透明な色からはじまり、富士山の裾野に近づくにつれて、次第に透明感を増していきます。


「エスカル・オ・モン・フジ」の物語は、このポケットウォッチと完璧に調和し、ルイ・ヴィトンの歴史的な旅のルーツを体現する唯一無二のバッグ&トランクへと結実します。手作業で仕上げられたゴールドのチェーンに加え、本作には、メゾンの歴史あるアニエールのアトリエで製作された特別仕様のトランクが付属。さらに、メゾンのアーカイヴに残る1906年頃のモーターズバッグから着想を得てデザインされた、類い稀なドクターズバッグも揃います。元々は自動車旅行の流行に応えるために生まれたこのバッグは、中央にポケットウォッチを収められるよう特別にデザインされています。どちらも、このポケットウォッチの美しいパステルカラーの色調に呼応する淡いライトブルーを採用し、「エスカル・オ・モン・フジ」のために特別に開発されたカスタムレザーの仕上げが施されています。


ルイヴィトンコピーメゾンがこれまでに手掛けたムーブメントの中でも、最も複雑な機構の1つを搭載する「エスカル・オ・モン・フジ」──その製作には、熟練のウォッチメイカー、エングレーバー、エナメラーたちによる、延べ1,000時間以上の作業を要しました。創造性と独自性を兼ね備えたウォッチメイキングのサヴォアフェールを発揮する、まさに比類なきキャンバスとして、この「エスカル・オートゥール・デュ・モンド」コレクションの最新作は、「ラ・ファブリク・デュ・タン ルイ・ヴィトン」の職人たちの挑戦心を掻き立て、創造性を刺激し続けると共に、審美眼を持つ時計愛好家の関心を一層集めています。



関連リンク:https://ameblo.jp/ralnpses

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